為替取引で交換される通貨には必ず相手となる通貨ペアが存在します。FXでは数十種類を超える通貨ペアを取引することが可能ですが、一つの通貨ペアが完全に孤立して値動きを形成しているのではなく、相互に影響を及ぼし合いながら為替チャートを形成しています。
また各国の通貨には、地政学的な影響・貿易関係・政策金利などのファンダメンタル要因によって相関性や逆相関性が生まれている通貨もあります。
相関性の基本を考える場合、基軸通貨米ドルであれば米ドルと通貨ペアを成すドルストレートを主体に考え、日本円であれば日本円と通貨ペアを成すクロス円(円クロス)を主体に考えます。クロスペアは円だけではないので、ユーロを中心に相関性を確認したい場合にはクロスユーロの通貨ペアを見ることになります。
米ドルを中心に取引したいのであれば、ドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)、ポンドドル(GBP/USD)、ドルスイスフラン(USD/CHF)といった各ドルストレートペアの相関性を確認し合うことで、米ドルの通貨間における現在位置や力関係といったものが見えてくるようになります。
ドル円(USD/JPY)とユーロドル(EUR/USD)は共に米ドルを介するドルストレートペアです。国内ではドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)のように通貨表記するため、チャート上では逆相関の関係にあります。
ユーロポンド(EUR/GBP)とポンドドル(GBP/USD)は共にポンドを介するクロスポンドペアです。国内ではユーロポンド(EUR/GBP)、ポンドドル(GBP/USD)のように通貨表記するため、チャート上では逆相関の関係にあります。
通貨ペアを単独チャートで分析するよりも、複合的に見ることで「今この通貨はどんな場所に居るのか」といった通貨を絡めた全体の位置確認ができるようになります。また私の場合、単独でチャートを見ていた頃よりも取引精度が増しました。取引精度の向上は「ポジションに対する自信」に繋がり、利益確定までのポジションホールド力を高めてくれます。(メンタル面で安定する)
「今までは単独チャートだけを見て取引していた」「複数ペアを見ていたけれど、それらを紐づけて考えることはしていなかった」という人は、通貨ペアの相関性を考慮に入れることで新しい発見があるかもしれません。特にデイトレードやスキャルピングトレードを行う短い時間軸では、頻繁にトレンド転換が起こったり、不意の逆噴射が起こることがあります。これらの現象が起こる一因として、他の通貨ペアの相関上、やむを得なく逆噴射が起こる場合があります。
私が普段FXで監視している通貨ペア数は最大6種類ほどです。
仮にドルストレートペアの相関性を確認するには、「主要ドルストレートペアを全て監視する」という方法がベストなのかもしれませんが、頭の中で処理しなければならない情報量が多くなってしまいます。私の場合、主要ドルストレートペアを全て監視してはおらず、常時監視する通貨ペアを6ペアほどに絞り、米ドル・日本円・ユーロ・ポンドといった主要通貨(メジャーカレンシー)に重点を置いて、取引の判断材料にしています。
入ってくる情報量が多いことは良いことですが、処理する情報量が多すぎると、それらを的確に紐づけられないくなってしまいます。キャパシティの限界というか、私がリアルタイムで情報処理できる通貨ペアの最大が6ペアくらいということです。
DMM.com証券には、通貨相関を比較できるツールが用意されています。他のFX会社にはあまり用意されていない機能なので重宝します。
私が普段のFX取引で行ってる「通貨ペアの相関性のイメージ方法」については、以下の記事にまとめています。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |