アメリカに匹敵する経済圏を有するユーロ通貨と、EU経済圏の影響下にある永世中立国スイスが導入しているスイスフランとの通貨ペア。
スイスフランは「金よりも堅い」と称されるほど信頼性の高い通貨。一方のうんこユーロは、製造業が堅調なドイツに、IMFやECBの支援なしでは財政破綻に陥ってしまうギリシャなど、経済圏内に不安分子を抱えた共同体である。そのため、ユーロスイスは長期的に下落の一途を辿っている。
ただし、調子に乗って売りまくっているとスイス銀行が為替介入を行ってくるので注意。
スイスフランは慢性的にフラン高による輸出抑制に悩まされており、特にユーロとのレートを注視しています。スイス中央銀行はフラン高に歯止めをかけようと、度々市場介入を行っています。(水銀砲)
慢性的なフラン高は2007年~2008年のサブプライムローン問題・リーマンショック期に急激に加速。世界的な景気が上向き出す2012年頃を過ぎてもなお、フラン高は是正されていません。
2015年1月には、ユーロとスイスフランの通貨価値が等しくなる「通貨パリティ(1.0000)」を達成しています。
フラン高抑制のためにスイス中央銀行が起こした有名な事件があります。(スイスフラン事件)
2011年9月6日、スイス中央銀行がユーロスイス(EUR/CHF)のレートを原則1.2000に固定すると表明。無限介入も辞さない姿勢を示すと、ユーロスイス相場は一時パニックとなります。
無限介入発言によりパニック買いが発生。1.2000レート上で不自然な買い支えが数年間に渡って続きました。
さらに2015年1月15日には、およそ4年間に渡って続けていた1.2000の固定レートを撤回すると発言。ユーロスイス相場は大混乱に陥り、たった1日で1500pipsもの歴史的大暴落(フラン高)を引き起こします。
スイス銀行による無限介入(圧力)によって守られていたフランレートの防波堤が崩れ、一気にユーロ安フラン高が加速。ついでに通貨パリティ「1.0000」をも抜いています。(たぶんこれが目標)
スイス中央銀行が「1.2000」で無制限に介入するという言葉を信じて、1.2000を背にロングポジションを持っていた個人投資家も居ました。(ナニコレ簡単~♪)
この混乱ではストップも正常には働かず、口座資金の全てを失うのはもちろんのこと、さらには到底払いきれないような巨額の追証を抱えてしまった人も居ます。
1.2000の反発を利用して確実に儲けるどころか、一夜にして退場と莫大な借金を背負ってしまったのです。(怖すぎ)
一連の騒動(スイスフラン事件)は、スイスフランの市場における取引規模が小さいがために、このようなとんでもない乱高下が発生してしまったといえます。
この事件から教訓にできることは、取引規模の小さいマイナー通貨は極力触るなということ、「確実に儲かる」なんてそんな都合の良い儲け話はないということです。
物好きな方はどうぞ。
ユーロとの相関性が高いだけあって、割と綺麗に推移する印象。ただ、日足の1500pips下げを見てしまうと取引する気が失せる。(笑)
難易度 |
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上級者向け(介入による値動きが危険な通貨なので、あえて触らなくても良い) |
値動きの信頼性 | |
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スキャル | ★ |
デイトレ | ★★★ |
スイング | ★ |
スイス中央銀行の介入や、スイスフラン事件を見てしまうと、スイスフラン自体を触ることに危険性を覚える。あえてこんな危険な土俵で戦う必要もないと思います。
スプレッドが広いので、スキャルには不向き。1時間足や4時間足は比較的綺麗で、デイトレードでも勝負が可能です。スイングトレードは・・・発言一つでとんでもなく急変動するので、持ち越す行為自体が非常に危険といえる。
ユーロスイスが取引できるFX会社は少ないです。私の場合、50種類もの通貨ペアを取引できるヒロセ通商でユーロスイスを監視しています。ヒロセ通商は、ドル円やユーロドルのスプレッドが業界トップクラスに狭いので通常取引にもオススメです。あまり興味本位で触る通貨ペアでもないので、ユーロスイスは監視するに留めた方が良いです。
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |