世界経済には「好景気」と「不景気」が存在します。
好景気では、世界経済が活気に満ちてモノがどんどん作られ、お金の流通が活性化します。日本は輸出国なのでアメリカや中国などに、自動車や精密機器といった製品が活発に輸出されるようになります。世界経済はアメリカの景気(消費欲)に依存している面が大きく、アメリカの景気動向が経済情勢をかなり左右します。
不景気では、経済全体の元気がなくなり、モノの生産や設備投資が減少し、お金の流通が滞ります。投資家による投資活動も鈍化するため、成長を期待できる新興国からは投資資金が引き、金や日本円、スイスフランといった安全資産への資金移動が起こります。(日本円の安全神話は・・・まだある?)
好景気は、別名ではリスクオン、強気相場、ブル相場(Bull)などともいわれています。一方、不景気は、別名ではリスクオフ、弱気相場、ベア相場(Bear)などともいわれています。
好景気 |
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不景気 |
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通貨には「好景気に買われやすい通貨」「不景気に買われやすい通貨」がそれぞれ存在します。
好景気に買われやすい通貨には、豪ドル・英ポンド・ユーロ・米ドルなどがあります。これら通貨は世界経済が上向いているときには金利が高く推移するという特徴があります。かつてスワップポイント目的でこれらの高金利通貨を買う流れが世界的に流行しました。(キャリートレード)
好景気に買われやすい通貨とは、成長に期待が持てる新興国の通貨であったり、多少リスクを取っても経済成長によって十分なリターンを得られそうな通貨などになります。
不景気に買われやすい通貨には、日本円・スイスフラン・米ドルなどがあります。
米ドルに関しては、好景気にも買われやすいですが、基軸通貨という観点から不景気にも買われやすい特徴があります(有事のドル買い)。世界の基軸通貨である米ドルは「貿易決済通貨」としても使用されており、世界最大の流通量を誇るため、米ドルがなくなるということ自体が考えられません。(保障性が高いという意味で。なくならないことを担保する意味ではありません。)
好景気に買われやすい通貨、不景気に買われやすい通貨の一覧図は、以下のようになります。
リスクオン(好景気) | 豪ドル、ポンド、ユーロ、米ドル |
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リスクオフ(不景気) | 日本円、スイスフラン、米ドル(基軸通貨の観点から) |
不景気に買われやすいものとしては、通貨以外では金(ゴールド)などがあります。
通貨には好景気に買われやすい通貨、不景気に買われやすい通貨というものが存在することは理解できたかと思いますが、これらの通貨にも力関係というものが存在します。
私が思うおおよその通貨の力関係は、以下の通りです。
リスクオン (好景気) |
豪ドル>ポンド>ユーロ>米ドル>日本円>スイスフラン | リスクオフ (不景気) |
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これは現在の経済情勢における関係なので、例えば日本が債権超大国としての地位を失ったり、国債債務不履行で財政破綻した場合などは、日本円はリスク回避通貨とはとても言えなくなると思います。これは日本で将来的に起こり得る事態です。(現在は国内家計1,500兆円で賄われていますが)
通貨の力関係には明確な基準がないため、力関係は人や地合いによって前後します。
通貨価値を決める一つの指標には「金利」が挙げられます。
「金利」の目的は「通貨の価値を高めること」です。金利の引き上げは、通貨よりも商品価値が上がってしまうインフレーションへの対抗措置や、景気が過熱しているときに金融引き締めをするために行います。
逆は金融緩和です。金融緩和は、リーマンショックが起こったときにアメリカのFRB議長(バーナンキ)が行ったQE(量的緩和策)が有名ですね。金融緩和では、政策金利を引き下げたり、市場の流通量を高めるために通貨を刷りまくったりしますが、通貨価値が落ちるという側面もあります。
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |