基軸通貨とは、通貨の信頼性、取引規模、高い経済安定性などを満たす通貨のことで、現在では米ドルがその立場にあります。かつては大英帝国の英国ポンドが基軸通貨としての役割を担っていましたが、世界を巻き込んだ二度の大戦によって国力は衰え、代わってアメリカが台頭するようになった過去があります。
GDP世界第1位、世界最大の経済大国アメリカは、購買力平価モデルでは日本の3倍、ドイツの5倍、英国の7倍に相当するといわれています。輸出額、輸入額、軍事額などの面でも諸国を圧倒しており、まさに超大国といえます。
世界最大の国際決済通貨である米ドルは、最も頻繁に取引される通貨です。外為取引の90%以上は米ドルに絡んだ取引といわれており、日本の輸出企業も、売買代金は米ドルで受け取っています。
それら輸出企業が米ドルを円に替える際にも、外為取引が用いられます。
基軸通貨の米ドルとの通貨ペアをドルストレートと呼びます。
為替取引の基本はドルストレートペアで行われます。ユーロ円やポンド円などの「クロスペア」は、あくまで為替相場の全体的な値動きを考慮する上で補助的に考慮に入れるという位置づけに留めた方が良いです。ただ、クロスペアであってもチャート上の節目やテクニカルが機能する局面が存在するため、全く取引の対象とならない訳ではありません。
ドルペッグとは、米ドルに対して自国通貨を固定レートにすることをいいます。(米ドル追従)
かつての日本でもドルペッグ制が採用されており、1973年までは米ドルとのレートを360円に固定していました。米ドル経済の停滞、1960年代からの日本経済の躍進によって、日本円に対する米ドルの優位性は崩れ、円相場は変動相場制へと移行するようになります。
現在GDP世界第2位にまで成長した中国の通貨「元」も、2005年まではドルペッグ制を採用していました。
基軸通貨である米ドルとのレートを固定化することで自国通貨の価値が安定するメリットがあります。
新興国・発展途上国の多くは、ドルペッグ制を採用しています。新興国・発展途上国は政情不安から通貨価値が不安定になりやすく、物価高などのインフレに悩まされることがありますが、ドルペッグ制を採用することで自国通貨を安定的に導くことができます。
世界で最も流通している米ドルは、世界経済全体が減速するリスクオフ局面においては、退避通貨として買われる傾向があります。
リスクオフ時に好まれる通貨や商品 | |
---|---|
通貨 | 日本円、スイスフラン、米ドル(基軸通貨の観点から) |
商品 | 金、プラチナ、原油などの鉱物資源 |
歴史的に米ドルと金は、高い逆相関の関係にあります。
米ドル | 基軸通貨として世界最大の流通量を誇る通貨の代表 |
---|---|
金 | 有事の際に最も強いコモディティ商品の代表 |
ブレトンウッズ体制(1944年)によって米ドルと金は、かつて固定相場が維持されていました。
ブレトンウッズ体制は、第二次世界大戦で疲弊した世界経済をアメリカ主導で安定させることを目的としたものです。発足の1944年から1971年までブレトンウッズ体制は続いたものの、固定相場を維持するために大量の金を保有し続けなければならず、また、拡大する世界経済との釣り合いを保つのが難しくなり、1971年に米ドルと金との固定相場が停止されます。(ニクソン・ショック)
金との固定相場が解かれた米ドルは、その後長期的なドル安の流れを辿るようになっていきます。そういった歴史経緯が、米ドルと金との逆相関を生み出している一因にも思われます。
FX歴 | 16年(2008年~) |
---|---|
年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |