私が為替取引を始めるまでは、「小さな島国日本の通貨なんて、そこまで重要なの?」と謙遜していましたが、それが大間違いであることに気が付かされました。
戦後の混乱期を経て、1960年代に日本はGDP世界第2位になります。
その後、日本経済は1980年代に最盛期を迎え、プラザ合意によるドル安、不動産バブルによるニューヨーク物件の買占めなど、ジャパン・マネーが世界を席巻するようになります。
バブル崩壊・少子高齢社会・中国の台頭などにより、現在はGDP世界第3位となってしましましたが、それでも依然として世界的に高い生活水準を誇っています。
強固な財政基盤の下、世界的に流通している日本円(yen)はハードカレンシーとして信頼されています。日本円は東アジア全体の経済動向を表す指標として見られる傾向があり、日本経済の先行き不安が中国や韓国、東南アジア諸国へ影響を及ぼすこともあります。
私たちが思っている以上に、日本円は信頼性の高い通貨として世界的に認知されています。
日本の株式市場は「外国人投資家」と呼ばれる海外勢が50%を占めるといわれます。80~90年代に活躍したアメリカの有名なトレーダーであるヴィクター・ニーダーホッファー(BNFの元ネタの人)は、こんな言葉を残しています。
円は王様(キング)・・・・!!
by ヴィクター・ニーダーホッファー
驚異的なパフォーマンスで投資ファンドを急成長させる一方、「1日で50億円失った男」という不名誉な異名までもつ投機家が言うのだから間違いない。(笑)
日本円には、海外の大手ヘッジファンドや投機筋が盛んに取引を行う流動性の高さがあります。流動性の高さは「チャート上で意識されやすい場所が機能するしやすい」ということを意味します。
値動きの信頼性が高いということです。
有事の際や、世界経済が低迷する局面では、退避通貨として日本円が買われる傾向があります。これは日本が世界有数の債権国(金持ち国家)であることに起因しています。一説には、日本は世界に対して差引き250兆円の債権を有しているらしい。
「有事の際のドル買い」とも言われるように、米ドル自体にもリスクオフ通貨としての側面がありますが、ドル円レートで見た場合には、米ドルよりもさらに円が買われます。
結果、ドル円ベースでも円高が進みます。
リスクオフ時に好まれる通貨や商品 | |
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通貨 | 日本円、スイスフラン、米ドル(基軸通貨の観点から) |
商品 | 金、プラチナ、原油などの鉱物資源 |
日本円の発行母体である日本銀行(日銀)は、円高是正のための為替介入を行うことがあります。
日銀砲と呼ばれるもので、外貨準備金という為替用の資金を切り崩して、一貫した米ドル買い介入を行います。
日銀の為替介入は、私自身も何度かリアルタイムで遭遇しています。そのときは決まって9:00~10:00の時間帯に発動していました。日本政府から正式発表もあり、直ちにニュースで報道されます。(政府財源や税金を投入するものなので告知義務があるのだと思います)
為替介入の規模としては、5~10兆規模の介入が多く、値動きとしては大体1.5円~2円(150~200pip)ほど円安に動きます。
ドル買い介入を行った場合、ドル円(USD/JPY)はもちろん、ユーロドル(EUR/USD)などすべての通貨ペア(ドルストレート)において、米ドルが不自然に強含みます。日銀は市場の売り注文を全て引き受けながらドル買い介入を行うため、安易に売り向かったら確実に焼かれます。ドル売り円買いポジション保有中の場合は、一旦ポジションクローズしましょう。
ちなみに私が目撃した日銀砲は、一瞬で円安になるのではなく、15~30分程度掛けて売りオーダーを飲み込みながらゴリゴリと上昇していくような値動きでした。
米ドル買いに便乗するだけの簡単なお仕事なので、ある意味ボーナスゲームともいえる。(笑)
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |