これからFXを始めようとされる方々には少々酷ですが、FX初心者にも易しい通貨ペアはありません。
どの通貨ペアにも等しく言えることですが、基本的にFXにおける値動きの本質を掴むには長い長い経験が必要です。(私はこの期間を5年以上と設定します)
初心者にどの通貨ペアを勧めたところで、右往左往・翻弄されるのは確実です。
血を流さずして、強くはなれません。
私たち日本人と馴染みの深いドル円(USD/JPY)を初心者に勧めてくる人も居ます。私の経験上、ドル円はクセがあるながらも非常に綺麗に動いてくれる通貨ペアです。
ですが、「綺麗に動いてくれる」という判断は、私がFXを15年以上続けている上で「綺麗」と判断しているのであって、初心者にこの後どう動く可能性があるのかを正しく予想させるのは困難です。
実際に私自身、FX歴が5年くらいまでの初心者の頃は、ドル円の値動きに苦手意識がありました。
「ドル円がやりやすい」「綺麗に動いてるんだ」と思い始めたのは、長いFXの経験を重ねる中で、いくつかの基本法則に綺麗に準じていると気が付けたからです。この「気づき」の判断材料がなければ、いくら初心者に勧めたところで「やりやすい・ああ簡単だ」とは当然思えないはずです。
逆に、ドル円の値動きはクセがあって初心者には向かないとすら考えます。他の通貨ペアである程度結果は出しているが、今だにドル円の値動きは苦手だ、と思う中級者・上級者も意外に多く居ます。
ただ、私をはじめ相場の本質的な値動きに気が付いている人間から判断すると、クセがありながらも非常に綺麗に動いてくれる通貨ペアだと思っています。クセのあるドル円の値動きが理解できるようになって初めて、一人前といえるかもしれません。
相場の基本法則に準じており、クセが少なく、トレンドに素直に動くのがユーロドル(EUR/USD)です。
ユーロドルの値動きが苦手だと思っている内は、相場の基本法則に気が付けていない証拠です。ユーロドルの値動きに慣れることで、他の通貨ペアを本当の意味で攻略するための関門が開きます。
他の通貨ペアで何となく勝っているけど、為替相場の本質が分からない。まだモヤモヤとした雲があり、それが自信や決断力の低下を鈍らせている。
そんな悩みを抱えていたり立ち止まっている人は、一度ユーロドルの値動きを研究することを勧めます。何か新しい発見があるはずです。
ユーロ円・ポンド円など、円がらみの通貨ペアをクロス円といいます。クロス円は合成通貨ペアで実体取引がなく、値動きも独特なものがあります。(ちなみにドル円はドルストレートです)
私もFX歴3年目くらいまでは、よくユーロ円を触っていました。
クロス円は、高値・安値で一旦反発しやすく、4時間足などで引いたトレンドラインも意外に機能しやすいという特徴があるため、やりやすいと錯覚していたのです。
ですが、この錯覚は為替相場そのものの持つ基本法則を煙に巻き、本質的な動きを掴むことへの足かせになります。クロス円を極める前に、まずはドルストレートを極めることを強く勧めます。私は回り道をしてしまいましたが、FX初心者であればあるほど、まずはドルストレートでボッコボコに殴られて強くなっていってください。
為替チャートは1分足などの短い時間足でも機能しますが、ノイズに振り回されるリスクが増します。そのノイズが正しい判断を鈍らせる要因にもなってしまいます。スキャルピングトレードを勧める人も居ますが、スキャルは欠陥の多い超高等技術です。
私の闘っている土俵はデイトレードですが、本質的にはデイトレードよりもスイングトレードレベルの時間軸の方が、チャートに素直になる傾向があります。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |