金やプラチナ、原油、天然ガスといった地下資源を保有している国々は、それらの地下資源を輸出することで自国経済が潤います。地下資源は世界中どこでも産出される訳ではないため、特に日本など地下資源エネルギーに乏しい国々にとっては、産業に必要な地下資源は資源国からの輸入に依存しています。
通貨はその国の国力や経済力を反映する鏡です。地下資源の産出や資源エネルギー輸出が自国経済の大きな割合を占めるする国々は、資源価格の変動が通貨価値に大きな影響を及ぼし、時に連動性や相関性といったものが生まれます。
また米ドルのように、金産出国ではないものの歴史的な経緯や経済的な理由から金との逆相関が生じている通貨もあります。
※ドルインデックスとは、米ドルそのものの価値を相対的に算出した指標です。
米ドル(USD)と金相場については、高い逆相関が確認されています。かつて米ドルと金は、ブレトンウッズ体制(1944年)によって固定相場とされていました。ブレトンウッズ体制には、米ドルと金との相場を固定相場とすることで世界経済の安定化を図ろうとした意図があります。金との相場を固定するためには米国が常に金を大量に保有し続けなければなりませんでしたが、膨張する世界経済に対して次第にそれが難しくなり、1971年に米ドルと金との固定相場が停止されます(ニクソン・ショック)。
米ドル | 基軸通貨として世界最大の流通量を誇る通貨の代表 |
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金 | 有事の際に最も強いコモディティ商品の代表 |
以降、米ドルは長期的なドル安トレンドを辿っており、反対に金相場は有事の際に最も強いコモディティ商品として長期的な上昇を続けています。
※豪ドルのインデックス値がなかったのでオジドル(AUD/USD)のチャートを利用しています。
オーストラリアドル(AUD)と金相場には、正の相関があります。これはオーストラリアが世界有数の金産出国であり、毎年多くの金を海外輸出していることが一因とされます。オーストラリアドルは一次産品(コモディティ)に連動する通貨として知られています。オーストラリアの輸出は一次産品が主な割合を占めており、牛肉や農産物、金や原油といった鉱産物などが世界に輸出されています。
※豪ドルのインデックス値がなかったのでオジドル(AUD/USD)のチャートを利用しています。
※原油チャートに関しては、国際原油価格に大きな影響を与えているWTI原油先物価格の値を利用しています。WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)はアメリカ国内の原油先物市場です。
オーストラリアドル(AUD)と原油相場には、正の相関があります。これはオーストラリアが原油産出国・原油輸出国であることを一因としています。
為替は株式相場との連動性が高いですが、株式相場以外でも商品市場との連動性も確認できるところが面白いですね。様々な取引市場の動向を監視し、常にアンテナを張っておくことで新しい発見や思わぬビッグチャンスに巡り会えるかもしれません。(原油あら安い!など)
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |