相場の9割以上のケースでは、ドル円が上がればユーロドルは下がるような展開になります。(逆相関)
ドル円(USD/JPY)とユーロドル(EUR/USD)は、基軸通貨米ドルとペアを組む「ドルストレート」です。ドルが強含む相場においては、基本的にドル円は上昇し、ユーロドルは下落します。
08/25を境に、ドル円は下落から上昇へ、ユーロドルは上昇から下落へ転じていることが分かります。
これがドル円とユーロドルの相関関係です。(逆相関)
相場の9割以上のケースでは、ドル円が上がればユーロドルは下がるような展開になりますが、稀に、この相関が崩れる相場があります。
リスクオン(好景気)相場と、リスクオフ(不景気)相場です。
リスクオン(好景気)とは、成長が期待できる新興国や、多少リスクがあってもそれ以上のリターンを期待できる投資先に、投資資金が積極的に集まっていくような経済状態をいいます。強気相場、ブル相場(Bull)などともいいます。
一方、リスクオフ(不景気)とは、世界情勢や経済不安によって投資心理が消極的に働き、新興国や商品市場、不動産市場などから投資資金が引き上げ、世界全体の金回りが悪くなる状態をいいます。弱気相場、ベア相場(Bear)などともいいます。
景気と通貨は密接な関係を持っており、好景気・不景気によって買われやすい通貨が変わってきます。
リスクオン相場とリスクオフ相場では、それぞれに買われやすい通貨というものが存在します。
リスクオン(好景気) | 豪ドル、ポンド、ユーロ、米ドル |
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リスクオフ(不景気) | 日本円、スイスフラン、米ドル(基軸通貨の観点から) |
また、それぞれの相場で強含む、弱含む通貨の序列は、おおよそ以下の順序です。
リスクオン (好景気) |
豪ドル>ポンド>ユーロ>米ドル>日本円>スイスフラン | リスクオフ (不景気) |
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これは現在の経済情勢における関係なので、例えば日本が債権超大国としての地位を失ったり、国債債務不履行で財政破綻した場合などは、日本円はリスク回避通貨とはとても言えなくなると思います。これは日本で将来的に起こり得る事態です。(現在は国内家計1,500兆円で賄われていますが)
リスクオン(好景気)相場では、ユーロ>米ドル>円の関係が成立します。
つまり、ユーロドルも上昇、ドル円も上昇、という相関に変化するのです(強気相場)。この場合、ユーロ円に強烈な上昇バイアスが掛かることになります。
近年では、アベノミクス相場でしばしばこの現象が見られました。
逆に、リスクオフ(不景気)相場では、円>米ドル>ユーロの関係が成立します。
つまり、ユーロドルも下落、ドル円も下落、という相関に変化するのです(弱気相場)。この場合、ユーロ円に強烈な下降バイアスが掛かることになります。
2008年に起こったリーマンブラザーズの破綻をきっかけとした世界恐慌(リーマンショック)においては、しばしばこの現象が見られました。
基本はドル円が上がればユーロドルは下がります(逆相関)が、こういった相場もあることを頭に留めておいてください。
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |