自然科学に興味があったり、理系出身の人ならば「フィボナッチ数列」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。フィボナッチ・リトレースメントとは、その名の通り「フィボナッチ数列」を為替チャートに応用したテクニカル指標です。
フィボナッチという名前は、12世紀ごろに活躍したイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチから取られています。レオナルド・フィボナッチが「フィボナッチ数列」に関係した研究を行っていたため、後世にその功績が認められて彼の名前が引用されています。リトレースメントには、「引き返す、あと戻りする(retrace)」というような意味があります。フィボナッチ数列は、自然界で美しいとされる黄金比に収束するという点でも興味深いですね。
黄金長方形と貝殻螺旋
フィボナッチ・リトレースメントの使い方について紹介。
フィボナッチ・リトレースメントによる38.2%戻しの例。(トレンドブレイクを伴わない一時的な戻し)
フィボナッチ・リトレースメントによる61.8%戻しの例。(トレンドブレイクを伴う戻し)
フィボナッチ・リトレースメントでよく用いられるフィボナッチ比率は、38.2%、61.8%になります。強いトレンドに対しての一時的な戻りには38.2%前後の価格帯が意識され、強烈なブレイクを伴った戻りが発生した場合、半値水準の50.0%ないし61.8%前後まで戻されます。
起点 | 100% |
---|---|
76.4% | |
61.8% | |
50% | |
38.2% | |
23.6% | |
仮底 | 0% |
私は基本的にテクニカル指標を使わないでFX取引を行っていますが、フィボナッチ・リトレースメントについては活用することがあります。直感的に感じたときなので、数ヶ月に1回とかそのくらいの頻度です。
直近のトレンドがブレイクされた後、「どこまで戻るのか」の目安としてフィボナッチ・リトレースメントの「61.8%戻し」を活用しています。上図はユーロドルの4時間足ですが、直近で綺麗な下落トレンドが発生しています。とあるポイントを境にトレンドブレイクが発生したので、その後上昇に転じています。トレンドブレイクの底となっている場所を「仮底」と定めます。ブレイク前の下落トレンドの始まりを「起点」と定め、フィボナッチ・リトレースメントを実際に引いて活用していきます。どこでトレンドブレイクが発生したのかについては「ブレイク(白字)」を参照してください。
日足で見た場合。
ドル円(60分足)の場合。これも短期トレンドブレイクからの61.8%戻し。100%線の上にも161.8%、261.8%線が描かれていますが気にせずに。
フィボナッチ・リトレースメントは、毎度のように何度も引くものではないと思います。綺麗にトレンドが出ていて、「ブレイクされてしまったけどどこまで戻すんだ?」、「今日の足はどこで確定させるつもりなんだ?」と判断に困った場合などに補助的に活用しています。
自分自身が使いどころを把握していないと、全く無用の長物になるので注意。
(テクニカル分析全般にいえること)
私の場合、「61.8%」、「38.2%」以外の数値はあまり参考にしていません。
フィボナッチ・リトレースメントはよく利用されているテクニカル指標なので、大体のFX会社で標準的に使えるかと思います。私の使っているFX会社では、GMOクリック証券、DMM.com証券、マネーパートナーズで使うことができます。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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月利 | 1~3%(破産確率を考慮・ムラあり) |