スワップポイントとは、2国間の金利差から得られる利益(または支払う損失)のことです。これを金利差調整分といいます。スワップポイントの受け取り(支払い)は、日をまたぐことで発生するため、基本的に毎日行われます(※)。
※土日分の付与は、別の日にスワップ3倍デーとして一括付与されます。
FX(外国為替証拠金取引)は、2国間の通貨ペアの強さ・方向性を当てる取引商品です。取引の過程で実際に2国間の通貨を保有するため、金利差の概念が生じてくるのです。
FXでは、「片方の通貨を調達資金にして、もう一方の通貨を保有する」ということを行っています。
何となくイメージが掴みにくいかもしれませんが、ドル円買い(ロング)の場合、日本円を調達資金にして米ドルを保有します。ドル円売り(ショート)の場合、米ドルを調達資金にして日本円を保有します。
私たちはFX業者に証拠金を預けて、何気なく取引画面を通じて「ドル円ロング」「ドル円ショート」を選択しているため、内部の取引イメージは湧きにくいと思います。FX業者は顧客の注文を元に、調達資金に扱う通貨や保有する通貨を決めてインターバンク市場に取引注文を出してます。
「ドル円買い(ロング)」といっても、単に米ドルを保有しているだけではなく、実際には日本円も米ドルも保有(運用)していることになるのです。(※実際には証拠金を担保に、ドル円と米ドルを証券会社に借りている状態に近い)
FX業者が行っている取引内容です。
ドル円だけだと分かりにくいかもしれないので、もう一例として。
スワップポイントは、2国間の金利差から得られる利益(又は支払う損失)と説明しました。つまり、金利差によっては支払いが発生してしまいます。
2国間の金利差がプラスになるかマイナスになるかは、その通貨ペアを買った(ロングした)のか、売った(ショートした)のかによってプラススワップになるのかマイナススワップになるのかが決まります。通貨ペアを買った(ロングした)場合の金利差を買いスワップ、通貨ペアを売った(ショートした)場合の金利差を売りスワップといいます。
米ドルの金利が2.01%、日本円の金利が0.01%だった場合を例にします。
ドル円買い(ロング)における金利差は2.01-0.01=2.00%になります。このプラススワップ分を、現在保有しているポジション枚数(1万通貨など)に応じて受け取ることができます。金利差は年利換算なので、年利で受け取れる額から365日で割った分を、1日分のスワップポイントとして毎日受け取ることができます。(ポジション決済時に、証拠金残高へ反映される)
逆に、ドル円売り(ショート)における金利差は0.01-2.01=-2.00%になります。この場合はマイナススワップになるので、同様に年換算で受け取れる金利差から365日で割った分のスワップポイントをFX業者に支払うことになります。(ポジション決済時に、証拠金残高から自動支払いされる)
実際に受け取れる金額については、①どの通貨ペアを保有しているか、②何通貨単位保有しているか、③現在価格は幾らかなど、保有枚数や為替レートによっても影響を受けるため一概にはいえません。
また、スワップポイントは各FX業者によって受け取れる金額が違います。各FX業者の最新スワップポイントについては下記リンク先を参照してください。
政策金利は各国の中央銀行が定期的に決定しており、その発表の度に政策金利の変動が起こっています。実際に金利引き上げ、金利引き下げが行われるタイミングはその時の経済情勢によって変化しますが、変動の頻度は半年に1回とか数年に1回とかなので頻繁に変わるものではありません。日本円に至っては10年以上に渡って超低金利政策が敷かれています。そのため、円を使って他の通貨を保有する円キャリートレードがかつて流行しました(2006年頃)。
スワップポイントはインカムゲイン(利子収入)に属するため、スワップポイントで不労所得生活を夢見るのも良いことですが、いくつか留意しておかなければならない事項があります。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |