FXの魅力のひとつに、スワップポイント(金利差)を狙った長期投資があります。スワップポイントは2国間の金利差に相当する金額を毎日受け取れるため、安定して得られる不労所得として人気があります。ここでは、高スワップポイントを受け取る方法についておさらいしたいと思います。
ポイントとなるのは以下です。
高金利通貨と低金利通貨のペアで、高金利通貨を保有するポジションを持つ。
具体的には、オーストラリアドル(高金利通貨)と日本円(低金利通貨)の通貨ペア豪円(AUD/JPY)のロング(買い)ポジションを取るといった方法です。高金利通貨はオーストラリアドルの他にも幾つかあります(※後述)。
2008年に起こったリーマンショックを境に、世界的な景気の低迷が続いています。現在アメリカや英国、欧州(ユーロ)の各中央銀行は、金融緩和策として超低金利政策を敷いていますが、リーマンショックが世界経済を襲った2008年以前は、米ドル金利5.25%、ポンド金利5.75%、欧州金利4.00%と比較的高い金利政策が敷かれていました。そのため、バブル崩壊後長きに渡って超低金利政策を続けている日本円を資金にして、これら外国通貨を調達する円キャリートレードなる投資方法が流行った過去があります。
昨今、円キャリートレードなんて言葉はもはや死語に近いものになってしまっていますが、インフレ抑制を目的とした高金利政策を続けている国も存在します。そのため、これら高金利通貨と日本円をペアとしたキャリートレードは一応健在といえます。ただし、インフレ抑制を目的とした高金利政策は通貨価値の低さの裏返しでもあるため、もしこれら高スワップポイントを目的とした長期投資を行うことを考えている方は金利の仕組みについて一度学んでおく必要があるかと思います。
FX取引が可能な、高金利政策を続けている国の通貨を紹介したいと思います。
言わずと知れた高金利通貨の代表格(だった)。現在は利下げを続けていますが、将来的に再び高金利政策を取る期待感もあります。オーストラリアは原油や石炭、天然ガスといった資源エネルギー産出国であり、これら資源価格の影響を受けやすい特徴があります。好景気時には海外投資マネーが流入しやすい反面、リスク回避局面においては一気にこれらの投資マネーが引いて通貨価値を押し下げる要因になります。政治情勢も比較的安定しているため、ソブリンリスクなどの政治不安が起こる可能性は低く、他の高金利通貨よりも信頼性が高いといえます。
こちらもオーストラリア同様、高金利通貨として人気のある通貨です。ニュージーランド経済は、地政学的に隣国オーストラリアに影響を受けやすい特徴があります。国内産業はコモディティ(一次産品)に依存しており、自然豊かな国土を利用した酪農や放牧が盛んです。特に乳製品や食肉の輸出が多くを占めています。ニュージーランドドルも比較的安全な通貨なので、スワップポイント目的の長期投資家に人気があります。
金利8%を超えることもある高金利が魅力の南アフリカランドですが、個人的には国内情勢が不透明なことや政局・情報が入りずらいことなどから「情報をよく把握できないリスク通貨」の烙印を押しています。南アフリカは世界有数の金産出国であり、資源価格に影響を受けやすい特徴があります。アパルトヘイト廃止以後も、政情不安と高い失業率に悩まされている不安定国家。上手く儲けられるポテンシャルも秘めていますが、南アフリカランドへの投資は自己責任で。
トルコは国自体は古い歴史を持ちますが、通貨に関してはかなり信頼性が低いです。長年に渡って慢性的なインフレに悩まされており、通貨価値を引き下げるデノミネーションも何度か実行しています。インフレ対策として高金利政策を敷いていますが、基本的に通貨価値自体が下がり続けている通貨なので、保有すればするほど通貨安の煽りを受ける危険性があります。高金利を謳った証券会社や銀行の外貨勧誘には注意しましょう。
中南米通貨のメキシコペソも比較的高金利に推移している通貨です。メキシコは新興国ですが、将来的に経済大国になる可能性を秘めています。経済面では大国アメリカに隣接している関係上、アメリカ経済の影響を受けやすい特徴があります。今後も新興国として海外投資マネーが集まりやすく、経済発展に期待が持たれています。メキシコペソを取引できる国内FX業者も近年増えてきました。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |