ロスカットとは、保有中のポジションがFX会社によって強制決済されることをいいます。(強制ロスカット)
ロスカットが執行される主な原因は、証拠金維持率が100%を下回ったことによる証拠金不足です。FX(外国為替証拠金取引)においては、顧客側がFX口座にその通貨ペアを取引するのに必要な建玉必要証拠金を入金することで成立します。現行国内業者では、取引金額の4%(25分の1)が必要になります。
ポジションを損失決済する行為として損切りがありますが、ロスカットと混同しないようにしましょう。損切りはあくまで顧客側の意志によってポジション決済する行為ですが、ロスカットはFX会社側によって強制的に行われるものです。
各FX会社にはロスカットルールというものが設けられています。ロスカットルールは大きく3つのタイプに分けられます。
タイプ1 | 証拠金維持率が100%を下回った瞬間にロスカットされる。 |
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タイプ2 | 証拠金維持率が100%を下回っても、ロスカット水準に達するまではロスカットが1日程度猶予される。猶予期間に追加証拠金を入金しなければ、猶予期間を過ぎた後にロスカットが執行される。 |
タイプ3 | 証拠金維持率が100%を下回っても、ロスカット水準に達するまではロスカットされない。 |
※ロスカット水準は各FX会社によって異なりますが、証拠金維持率が50%ないし40%を下回った場合にロスカットが執行されます。
大きな違いは、証拠金維持率が100%を下回った瞬間にロスカットされるか否か、です。
どのロスカットルールが望ましいかについてですが、個人的にはタイプ1の「証拠金維持率が100%を下回った瞬間にロスカットされる」が良心的であるといえます。
そもそも、厳格にレバレッジ管理を行っている為替プレイヤーであれば、まず証拠金維持率が100%の水準になることはありません。
証拠金維持率が100%を下回るのは、経験の少ないFX初心者に多いです。FX初心者の傾向としては、損切りしたくない、ロスカットされたくない、といった心理状態に陥りやすく、ずるずると追加入金を行ったり、ロスカット水準(50%ないし40%)に達するまで損切りしない、などといった行為を押し通すことがあります。
ここには相場状況よりも個人的感情が先行しています。相場状況を分析した上で耐えているのではなく、ロスカットされて損するのが嫌だから耐えている(神に祈っている)状況に近いといえます。
そんな状況に陥るのくらいなら、いっそのこと証拠金維持率が100%を下回った瞬間にロスカットされたほうがマシです。自分では損切りの決断ができずにずるずる延命してしまうところを、FX会社によって自動ロスカットされるのだから、これを良心的と捉えるべきです。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |