経済関連ニュースを見ていると、必ずと言っていいほど為替の話題が報道されます。
「現在の為替相場は1ドル105円台前半で推移しており・・・」 こんなアナウンスはよく聞きますね。
1ドル105円から110円になったら円高なの? それとも円安なの?
これはよく間違われやすい問題ですよね。「円高・円安」については中学校の授業で勉強すると思いますが、大人になった今でも間違える人が居るくらいです。これは、言葉の雰囲気だけで「高い・安い」を判断しようとしてしまうから間違えてしまうのだと思います。
よくある勘違いは、「円が105円から110円に上がったから円高」というものです。
これはもちろん「不正解」なのですが、言葉の雰囲気で勘違いしてしまう気持ちはよく分かりますよね。間違えてしまった人は、ここでもう一度理解し直しましょう。
ドル円レート(USD/JPY)の持つ意味は、1米ドルに対して円は幾らなのかです。つまり、1米ドルに交換するのに円は幾ら必要になるのかを指しています。
これはどちらが円の価値が高いでしょうか?
1米ドルに交換するのに150円が必要な状態よりも、1米ドルに交換するのに80円で済む方が円の価値が高いことが分かると思います。これが円高です。つまり、
であることが分かります。
ドル円チャートを見てみましょう。ドル円チャートでは、チャートが上に向かうほど円安(ドル高円安)、逆にチャートが下に向かうほど円高(ドル安円高)です。この関係性を頭に入れておくと、「どちらが円高でどちらが円安なのか」に次第に慣れていくと思います。
日本は自動車産業が盛んであり、アメリカをはじめ世界中に自動車を販売する輸出大国です。円安=円の価値が下がることなので、円安になればなるほど外国人が日本の製品を安値で購入することができるようになります。
輸出貿易において円安が好まれるのはこのためで、円安時には輸出競争力(価格競争力)が上がって輸出産業が潤います。輸出産業が潤うと、日本経済の大きな割合を占める輸出産業で働く人たちの所得が上がり、その人たちの消費が増えることで国内経済が活性化します。また、所得税や法人税も多くなるため、政府収入も増えることになります。
このように、日本経済においては円安が好まれる傾向にあります。
どれくらいの価格が円高水準、反対にどれくらいの価格が円安水準なのかについては、色々と議論が分かれるところです。一応、明らかに言えることは1ドル80円より下に向かうことは日本政府や日銀が警戒感を示します。1ドル70円台では日銀が度々市場介入を行っており、円高阻止の牽制を行っています。そのため、1ドル80円より下は明らかに円高水準と言うことができます。
最後に補足として。為替レートの表示方法には、自国通貨建てと他国通貨建て(外貨建て)があります。
自国通貨建てとは、外貨の1単位を自国の通貨で表示する方法です。1米ドル=110円といった表示方法は、私たち日本人が分かりやすいように自国通貨建てで表示しているのです。一方アメリカでは、100円=0.9090米ドルという表示がよく用いられます。これはアメリカ人にとっての自国通貨建てであり、私たち日本人からすると他国通貨建て(外貨建て)なのです。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |