高金利通貨の代表格には、オーストラリアドル(AUD)、ニュージーランドドル(NZD)、南アフリカランド(ZAR)、トルコリラ(TRY)などがあります。メキシコペソ(MXN)も比較的高金利政策が続いていますが、メキシコペソを取り扱える国内FX業者があまりなく、スワップポイントも優遇されていないケースが目立ちます。
通貨 | 信頼性 |
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オーストラリアドル(AUD) | 中 |
ニュージーランドドル(NZD) | 中 |
メキシコペソ(MXN) | 低 |
南アフリカランド(ZAR) | 低 |
トルコリラ(TRY) | 低 |
高金利通貨を保有すると、毎日高額のスワップポイントを受け取れるため、スワップポイント目当てに長期保有をされる方が多いのが特徴でもあります。
ただし高金利通貨には、金融政策上、通貨を高金利に設定しなければならない理由があります。それは主にインフレ抑制を目的としたものです。つまり、高金利政策を行わざるを得ないほど、自国通貨が慢性的に通貨安に流れてしまう経済的な脆弱性があるということです。
早い話が、高金利という付加価値をつけなければ、自国通貨を保有してくれる買い手が現れないということです。
日本円は長い期間に渡って超低金利策が敷かれていますが、世界有数の債券国であるがゆえに、有事の際にはリスクオフ通貨として円が買われる傾向にあります。為替トレーダーにとっては、目先のスワップ金利に誘われるのではなく、きちんとその国の経済情勢や市場トレンドを考慮して通貨を保有する必要があります。特に南アフリカランド(ZAR)やトルコリラ(TRY)などの高金利通貨は情報も少なく、経済情勢が不透明なため、保有には細心の注意を払うべきです。
絶対に全財産をつぎ込むような暴挙に出ないように。
南アフリカランド円(ZAR/JPY)。高金利通貨と低金利通貨の組み合わせ。
10年以上通貨安トレンドが続いています。スワップ目的で南アフリカランド円を買い(ロング)しても、為替差損・評価損で多額の損失が出てしまっているため、何年も塩漬けさせられるハメに陥る恐れがあります。誰も底を当てることはできないため、この通貨安トレンドがだらだらと今後30年も続く可能性すらあります。
ただしこれは極論です。ちなみにドル円は、1970年から40年以上ドル安トレンドが続いています。
トルコリラ円(TRY/JPY)。高金利通貨と低金利通貨の組み合わせ。
こちらも長い期間に渡って通貨安トレンドが続いています。
「何十年も塩漬けしておけば、いつかは利益が出るじゃん?」とタカをくくっている人も居るかもしれませんが、その期間は全く資産運用ができないことを意味します。いつプラスになるか分からないもののために、大切な資産を何十年も封印される恐れを考えるくらいなら、別の投資先を見つける方が賢明だと私は思います。
最悪、自分が生きている内にはプラス利食いできない可能性だってあります。
そうなってしまったら、本末転倒ですね。
不労所得生活を目指すこと自体は私も賛成ですが、いくつか留意しておきたいことがあります。
南アフリカランドやトルコリラは、国内情勢が日本にまで正確に伝わってきません。私の信条として「よく分からない通貨は触らない」というものがあります。
オーストラリアドル、ニュージランドドルであれば、オセアニア圏で中国経済や日本経済とも連動性があり、通貨の信頼性もある程度あります。これらの通貨なら、底値付近まで落ちたら拾っても可だと思います。ただし、そのチャンスは数年~10数年に1度しかないと考えてください。
ほんと、拾えたらラッキー程度に構えてれば良いと思います。焦って高値で拾っても含み損で苦しむだけです。個人的にはオーストラリアドルは50~60円の間にまで落ちたら、出来ることなら40円台まで引き付けてから拾いたいです。
そのくらい、地合いと運に恵まれる必要があります。(スワップ運用の場合)
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |