株取引の世界では、他の投資家に不利益となるような行為を厳しく取り締まっており、株取引の違法行為で毎年のように逮捕者が出ています。
厳しく取り締まる理由のひとつには、意外に誰でも簡単に株価操縦ができてしまう敷居の低さにあるように思います。
「違法行為だとは知らなかった」では済まされないので、株取引を行う人間であれば最低限、知っておきたいところです。
では、いったいどんな行為が違法行為とみなされるのでしょうか?
株といえばインサイダー取引を連想してしまうほど、株関連のニュースではお馴染みの言葉ですよね。株取引の経験がない人でも、インサイダー取引という言葉を知っている人は多いかと思います。
インサイダーとは内部者のこと。
インサイダー取引とは、上場企業の株価に大きな影響を及ぼしかねないような内部情報(機密情報)を事前に入手し、その情報が正式発表される前に株を購入したり、売却したりする行為のことを指します。
株価が上がるような情報を事前に入手したのであれば、公に発表される前にその企業の株式を大量に購入し、正式発表後に株価が急上昇したタイミングで売り抜けば、高い確率で儲けることができます。
上場企業の重役クラスであれば、自社の機密情報を知ることは難しいことではありません。会社の重役会議に出席していれば、自然と内部情報が入ってきてしまうからです。
株式口座を開くためには、自分の所属している企業を通知しなければならない制約があるので、重役の当人がその情報に基づいて株取引を行うことは難しいですが、重役の友人の友人くらいにまでなると、その友人が機密情報を基に株取引を行ったところで、それをインサイダー取引と断定することはかなり難しくなってきます。
日本は昔から「インサイダー天国」と呼ばれてきました。それだけ不正や機密情報に対する危機管理のなさが蔓延してきた過去があります。金融庁や検察庁はこれらインサイダー取引に対する取り締まりを強化してはいるものの、毎年のように逮捕者が出ています。
5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金刑
株価の不正操作とは、相場が自分の有利な展開になるよう意図的に株価を吊り上げたり、逆に暴落を誘うような行為をすることを指します。
株取引には「気配値」という指標があります。
「どのくらいの価格帯に売り注文が集中しているのか」「逆にどの価格帯は買いが厚いのか」など、気配値を確認することでおおよその注文状況(オーダー)が分かります。
「見せ玉・見せ板」とは、この気配値を不正に操作する行為です。
自分の都合の良いように、ある価格帯に大量の買い注文や売り注文を発注するなどして、気配値を操作します。他の投資家に「この価格帯には注文が集中している」と思い込ませ、罠にはめるのです。
気配値を操作したいだけなので、意図的に発注された大量の注文はキャンセルされます。
もちろんこういった見せ玉による不正行為も監視・摘発の対象になるので、興味本位でも絶対に真似をしないように。
「風説の流布」と呼ばれる行為です。
ありもしなウワサ話を流し、市場に混乱を誘って株価を操作しようとします。
為替の世界でも、「一部通信社による報道」などのキナ臭い情報が流れることがたまにありますよね。
情報の出どころ、きちんとしたソースであるかどうか、情報の精査を行って余計な混乱に巻き込まれないようにしましょう。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |