近年、FX会社の配信するスプレッドの「低スプレッド化(スプレッドが狭い)」が進んでいます。
スプレッドとは、売値(Bid)と買値(Ask)の差であり、この値幅はプレイヤーが注文した時点で負担する金額です。
FXは、「買いで入ったら売りで終える」「売りで入ったら買い戻して終える」ことを原則としているため、買値と売値に差があるFXにおいて、スプレッドは絶対に顧客側が負担しなければならない金額になります。
取引手数料が無料なFXにおいては、このスプレッドが取引手数料のようなものと考えることができます。FX会社はこのスプレッドによって利益を上げている部分もあるため、スプレッドの大きさはFX会社間の目に見える取引サービスの差と捉えても全然おかしくありません。
そのため、顧客競争の激しいFX業界においては、低スプレッド化がどんどん進んでいるのが現状です。ドル円に関しては、0.2~0.3銭という破格のスプレッドを提示するFX会社も出てきており、その競争は過渡期を迎えつつあります。実際、0.2~0.3銭ほどの狭さであれば、文句を言う顧客はほとんど居ないでしょう。
FX初心者の方へ補足ですが、ちなみにドル円スプレッドが0.3銭の場合、1万通貨単位では30円の負担になります。1ドル=100円の場合、1万通貨単位に掛かる最低証拠金は50,000円(レバ20倍換算)なので、取引規模50,000円に対して手数料が30円という認識で概ねOK。(そう考えると破格の手数料)
小さな額かと思えますが、一日に50回100回と取引するトレーダーや、数千万単位の元手で運用する場合、この差がかなり重要になります。
僅か0.1銭の差でも、塵も積もれば大きな差になって跳ね返ってきます。
過当競争を経て、最近お疲れ気味のライオン。
私は2008年にFXを始めていますが、2008年頃はまだ低スプレッド競争が始まっていない時代でした。ドル円のスプレッドは4.0銭、ポンド円は9.0銭もありました。(FX会社は昔人気のあった外為どっとコム)
1万通貨単位の場合、実に400円マイナスからスタートするわけですから、昔を思えば今はいい時代になったなと感じます。
低スプレッド化の流れを思い出すと、いつ頃かは忘れましたが外為オンラインというFX会社がドル円1.0銭固定というサービスを始め、当時は結構話題になりました。さらにGMOクリック証券がドル円0銭という実質スプレッド差0のとんでもないサービスを始めたのを覚えています。さすがにこれは無理があったようで、GMOクリック証券では現在このサービスは行っていません。
GMOクリック証券は今でも低スプレッドに力を入れている業者ですね。外為オンラインは1銭・1pip未満の表示単位がないので、すっかり同業他社に追い抜かれてしまったイメージがあります。
これは低スプレッド競争が進んだことで感じるようになった弊害ですが、私が呼んでいるスプレッド詐欺とは、「ドル円スプレッド○○銭!」と謳っておきながら、実際にはちょっとしたレートの急変動に値が付いていけず、「パカッ」と一瞬だけスプレッドを故意に広げることを頻発してくる行為を指します。
スプレッド自体は、状況によっては絶対に広がってしまうのものなので「広げるな」とは言いませんが、それを取引中に頻繁に行われると、顧客側としてはかなりストレスが溜まります。
大体のFX会社は「スプレッド原則固定」を守ってくれているのは事実です。
ですが、中にはスプレッド詐欺まがいの行為に感じ取れるようなガバガバのレート配信を行っているFX会社が居るのも事実です。私はそういったFX会社を使用するのは控えるようにしています。
特にFX初心者の方はよく知らないことなので、「スプレッドが狭いから優良業者」とはいかないことを心に留めておいてください。スプレッドは大切ですが、それと同じくらいレート配信能力や約定力も大切です。
スプレッド表示は狭いのに、いざ注文しようとしたら「ズルッ」っと値が滑ってしまっては意味がありません。
2021年以降、ドル円の130円突破~151円到達などドル円相場が鉄火場と化しています。ボラティティの拡大により、近年はドル円相場で原則固定のスプレッド配信がやや難しくなってきているように感じます。
あまり頻発するようであれば、新しいFX口座開設も視野に入れています。(新規開拓)
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |