プロスペクト理論とは、お金を巡る選択において人間が本能的に取りやすいとされる行動や、それに関する統計・研究成果のことです。行動心理学上、人間は本能的に「ある行動パターン」を取りやすいということ。
以下の2択においては、どちらを選ぶか。
このテストにおいては、「必ず手に入る100万円」を選択する人が多い。
このテストにおいては、「50%の確率で借金がチャラになる」を選択する人が多い。
これは、人間は潜在的に利少損大の行動を取りやすいことを示しています。投資や相場の世界では、損少利大になるような行動を取ることが望ましいとされるので、明らかな弊害といえます。
上記の代表的なテストにおいて、2択における期待値は同じです。
投資行動をする上で特に危険なのは、「博打を打ってでも損をゼロにしたい」という心理状態です。
この本能的な心理が、「どうしても損切りできない」「損失を薄めるためのナンピン」という愚策を誘います。
軽い気持ちで取ったポジションがいつの間にか傷口を広げ、損切りできないためにナンピンを繰り返し、最悪の場合、一発退場させられる危険性もあります。
初心者が相場で退場するパターンの代表例です。
「本能」とは、「腹が減れば食事を摂る」「眠くなれば眠る」といった生物の基本行動のことです。「本能に逆らう」とは、「腹が減っているのに断食をする」「眠いのに眠らない」という行動を取ることを指します。
プロスペクト理論の研究から、人間は本能的に「損失リスクを回避したい」という回避行動を取るよう、脳に刷り込まれていることが統計的に実証されています。
これを少しずつ矯正していかなければ、投資・相場の世界では生き残れません。
「投資・相場の世界では負けている人間のほうが多い」といわれる原因の1つに、このプロスペクト理論が関係しています。
プロスペクト理論が人間の本能に基づいてるために、投資を始める人の多くがぶつかる壁です。プロスペクト理論は実践経験を積むことで矯正できます。
これを心掛けて取引の実践経験を積むだけでも、大分考え方が変ってきます。
「損切り貧乏」になってしまうのは、自分の腕が未熟なだけです。「損切り貧乏」が嫌だから「損切りしないスタイル」を取っていては、いつか相場に殺されます。(長く居座るほど、統計的な地雷を踏む)
そこを越えていかなければ、勝ちへの道は開けません。
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |