国際収支とは、外国との経済取引によってどれだけの金銭が流入・流出したのかをまとめたものです。国際収支は、経常収支と資本収支の2つに大別されます。さらにこれらの収支は、以下のように細分されます。
経常収支 | 貿易収支、サービス収支、移転収支、所得収支、経常移転収支 |
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資本収支 | 直接投資、投資収支、その他の資本収支 |
経常収支は、自動車や生産品など具体的な品目に関する指標のことです。経常収支の内訳には、黒字・赤字など商品の輸出入をまとめた貿易収支などがあります。
資本収支は、株式や債券に対する投資資金の流入・流出に関する指標になります。
すでに眠たくなってしまうような内容ですが、FX取引で注目しておきたい経済指標は「経常収支」と「貿易収支」の2つです。経常収支や貿易収支は、日本の場合では財務省が毎月1回発表しており、これらの発表値は証券会社が提供する経済指標カレンダーなどで速報値を知ることができます。
経常収支や貿易収支については、日本はもちろん、アメリカ、欧州(ユーロ)、オーストラリアなど、各国のデータが定刻に発表されています。
経常収支や貿易収支について、何をどう注目すれば良いかについて確認していきましょう。
例えば日本の貿易収支を考えてみましょう。貿易収支の黒字額が増えることは、外貨(主に米ドル)の支払い額よりも受取り額が増えることを意味します。受け取った米ドルは日本円に交換されるため、ドル売り円買いの動きが強まります。
貿易収支や経常収支の黒字額が増えることは、市場では米ドル安円高要因として捉えられるということです。反対に貿易収支や経常収支の赤字額が増えることは、米ドル高円安要因として捉えられます。
これは資本収支についても同様のことが言えます。資本収支が黒字になることは資本の流入が流出よりも大きいことを意味し、外貨を売って円を買う動きが強まるため、円高要因となります。
国際収支は、現在ではさほど重要な経済指標として注目されてはいませんが、1990年代前半ごろまでは、国際収支(貿易収支)が為替変動要因の1位を占めていました。現在では、雇用統計(失業率)や政策金利などの経済指標の方が投資家に重要視されています。
このように、その時代その時代によって投資家が重要視する経済指標は移り変わっていることを覚えておきましょう。
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |