GDP(国内総生産)とは、その国で生み出された生産品・サービスなどを金額換算したもので、その国の経済規模を表す指標として用いられます。「国が生み出した付加価値」と捉えると分かりやすいかもしれませんね。GDPによって、その国の国力(生産力)をおおよそ知ることができます。
GDPは生産人口の数に比例して大きくなるため、基本的に人口の多い国の方がGDPの総額が大きいです(アメリカ合衆国、中国、インドなど)。また日本やドイツ、フランスなど、生産人口が少なくとも技術力で生産性をカバーしているような先進国もGDP上位国にランクインしています。
GDP(国内総生産)に似た言葉としてGNP(国民総生産)があります。GDPが純粋にその国内において生み出された付加価値を集計したものに対し、GNPは「国民」という単位で集計しているため、例えばその国以外の海外で生み出された付加価値であっても、その国の国民が生み出したものであればGNPとして集計されます。国内単位なのか国民単位なのかの違い、ということです。
為替相場でGDPを考える場合、GDPの規模(金額)ではなく、GDP成長率で見るのが一般的です。その国の経済が成長しているかどうかはGDP成長率を見れば一目瞭然なため、経済指標発表時にはGDP成長率が公表されます。
GDP成長率に関する経済指標の発表時期は各国によって異なりますが、アメリカや日本、欧州圏のGDP成長率は、四半期毎(3ヶ月に1回)に発表されています。上場企業の決算発表と同じスパンですね。
本題の「GDP成長率が為替レートに及ぼす影響について」ですが、基本的にGDP成長率が高い国の通貨は価値が高まる(通貨高になる)傾向にあります。これは単純に海外資本の流入によって株価や通貨に投資資金が集まる点や、景気の過熱感を抑えるために金融引き締め(利上げ)を行う点などが関係しています。
GDP成長率 | 市場の反応 | 通貨価値 |
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上昇 ↑ |
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通貨高 ↑ |
低下 ↓ |
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通貨安 ↓ |
GDP統計は、以前に比べて為替相場における重要性が低下したといわれている指標の1つです。その理由として考えられるのが、GDP統計そのものの数値に信頼性を置けないという点が挙げられます。GDPはその計算方法に不明瞭な点が多く、国家自体が公表値を偽装していると指摘されている国まであります。
また、ほかの経済指標は毎月発表されるのに対し、GDPは四半期毎(3ヶ月に1回)に発表される点も、あまり重要視されない理由の1つに挙げられると思います。(発表スパンが長いのでブレやすい)
私が為替相場を見るときには、GDPやGDP成長率を気に掛けない、というか雇用統計や政策金利以外の経済指標は重要視していないのですが、例えばこれが株式市場になった場合には、GDP成長率は参考にした方がいいように思います。
海外株式市場に興味があってたまに上海株式、インド株式、インドネシア株式とか見てるんですが、株式市場は人口による影響が大きく、人口が増え続けている新興国は、今後も株式市場が成長し続けていくことが予想されます。
インド パワー!
あと、1人当たりのGDPが高い国の通貨は高くなる傾向にあるとは思います。でも、日本みたいに人口やGDP成長率が低下している国の場合には、その国の株式市場は伸び悩むのではなかろうか。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |