トレーリングストップとは、時間軸が進むにつれて、ストップ(損切りライン)の位置をずらしていく手法です。
トレーリングストップを行う場合、トレンドが発生していることが前提となります。トレンド発生中には、「押し目」と呼ばれる、トレンドチャートを形成する上で絶対に割れてはならない場所が存在します。
厳密には、
と呼び分けていますが、ここでは上昇トレンドを例に話を進めていくので「押し目」という呼び方で統一します。
ストップは押し目の下に置くのが基本となります。そしてこの押し目は、時間軸が進むこと徐々に押し上がっていきます。(チャート形成が進む)
新たにチャートが形成されることで、この押し目の場所も変わってきます。この押し目に追従して、ストップの位置をずらしていくのがトレーリングストップです。
上チャートは、上昇トレンド発生中のユーロドルです。押し目、というか絶対に割ってはならない下限が徐々に押し上がっているのが分かると思います。
トレーリングストップが有効となるようなチャート時間軸は比較的長いため、基本的にポジションを数日~数ヶ月間保有するようなスイングトレーダーが好んで導入する手法です。
綺麗な言葉でまとめるなら、損失を最小限に抑えつつ、利益を伸ばしていく方法です。
最初のエントリーが成功し、一度ストップの位置を変更してしまえば、その時点で負けはなくなります。さらに、勝ちが確定した状態でトレンドが終了するまで延々と利益を伸ばせていけるのも強みです。
スイングトレーダーの醍醐味というか、ニヤニヤできる瞬間ですね。(笑)
最初のエントリー場所で全てが決まる。
トレンドが早々に終了してしまえば、ほとんど利益を伸ばせなく、引き分けが増える結果となる。
また、そもそも最初のエントリーをしくじる確率もあるので、全体的な勝率はそこまで高くない。
押し目の場所が変わるまで時間が掛かるので、デイトレーダーやスキャルピングトレーダーには無縁の手法といえます。ただし、ストップ位置をエントリー場所と同値にセットし、負けを極力小さくする方法はデイトレードでもよく行われます。(これはトレーリングストップとは少し性質が異なる)
デイトレードやスキャルピングの時間軸レベルでトレーリングストップを行おうとすると、ストップに引っ掛かる確率が飛躍的に上がるので、さっさと利益確定して次の動きに備えた方が良い場合が多いです。
逆に、スイングトレーダーは積極的に活用していくべき手法といえます。スイングトレーダーは、標準的にこのトレーリングストップを導入している人が多いはず。
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |