FX取引における両建て行為とは、以下のようなものを指します。
特定の通貨ペアに対して、買い(ロング)のポジションと売り(ショート)のポジションを同時に保有すること。
両建ては相反する(相殺される)ポジションを同時に保有する行為であるが、必ずしも同じ枚数(取引単位)を保有する訳ではありません。
また、両建てを表面上しか知らない人間が「両建ては無意味」と得意気に突っ込んでいるのをたまに見かけますが、両建ての特性はそれだけではないので正しい理解が必要です。
「両建てはスプレッドを損するだけの無意味な行為」と結論付けている人も居ますが、限定条件付きで両建ての利点を見出すこともできます。
FX会社によっては、両建て分の証拠金を要求しない業者があります。
例えば、国内業者の限界レバレッジ25倍で、50枚の買いポジションを保有した場合、50枚までなら無償で売りポジションも持てるということです。逆ポジションを取るということが条件になりますが、両建てを利用することで、一時的にレバレッジ50倍に相当するポジションを持てることを意味します。
長期の買いも短期の売りもこなせるプレイヤーの場合、両建てを利用することで、より積極的に攻めることができます。
スイング目的の長期の買いポジションを保有しつつ、ド短期の売りにも参加できるということです。(証拠金を増やすことなく)
かなり強引なメリット探しですが、一応、両建てを上手く使うことで界王拳2倍みたいなこともできます。(笑)
一般的に言われている両建ての欠点について。
これは、「両建ては無意味だ」と主張する人と同様の意見です。
長期の買いポジションを持ちつつ、短期の売りに参入するのであれば、スイングトレードとデイトレードを併用した立派な戦略といえます。ただし、同じ時間スケールで、とりあえず同じ枚数だけ両建てすることは、そこで決済ボタンを押したことと同様の意味を持ちます。
例えば、買いポジション50枚に対し、利益が出たところで新規の売りポジション50枚を保有したとしても、同じ枚数を持っているため、利益・損失が打ち消し合います。ゆえに、そこから増えもしなければ減りもしない状態になってしまうのです。
これは、決済してしまったのと同じことです。この「増えもしなければ減りもしない」という状態が、無意味なトレードと言われるゆえんです。
私は基本的に両建ては行いません。
上で説明したように、両建て自体に一部メリットを見出すことは可能です。ただ、スイングトレードとデイトレードを併用した戦略を取る場合、ピラミッディング同様、総合的な能力が問われる上級者向けの手法といえます。
時間スケールをずらして、長期買いも短期売りも取ろうとする行為は、口で説明する以上に難易度が高いです。
結論、私には両建ては要らない。(笑)
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |