日本の地政学的リスクとして、北朝鮮ミサイル問題があります。つまるところ、北朝鮮が日本に向けて核ミサイルを発射すれば日本経済に大打撃を与えることができ、またソウルを火の海にすれば、アメリカ軍が動いて戦争に発展します。状況次第では自衛隊も集団的自衛権を発動させるかもしれません。為替相場(ドル円相場)や株式相場には間違いなく影響が出るため、北朝鮮のミサイル実験は世界中の投資家も注目している事象といえます。
北朝鮮は自国を守る外交手段として、アメリカ本土まで到達する核兵器搭載型の大陸間弾道ミサイル開発を進めています。(ICBM)
暫定的なミサイル性能としては、2017年9月15日に発射した「火星12」は、最高高度800㎞、飛距離3,700㎞と推定されています。東京はもちろん、北京・香港・米領グアムまで射程圏内に収める性能を誇っています。
この弾道ミサイルに核弾頭を搭載するには、核弾頭の小型化が命題のようですが、核弾頭の小型化にはかなりの技術を要するため、現状としてはまだ核弾頭を搭載できるほどの小型化には成功していないと見られています。ただ将来的には、遅かれ早かれ核搭載可能な大陸間弾道ミサイルを完成させることが予想されます。
2017年11月29日未明、北朝鮮から「火星15」がロフテッド軌道で発射されました。この火星15は、通常軌道ではアメリカ本土にまで到達する性能を誇るとされます。(飛距離約13,000㎞)
この時はあえて高度を高く発射するロフテッド軌道で実験されたため、通常軌道による飛距離約13,000㎞という数値は理論値になります。(この時の実験では高度4,475㎞を記録し、日本海に落下)
一般に戦争要因はリスク回避と捉えられるので、円高ドル高になります。例えばユーロ円(EUR/JPY)は下落し、ユーロドル(EUR/USD)も同様に下落します。(日本円も米ドルも買われる状態)
ドル円相場の場合では米ドルよりも日本円の方がリスク回避通貨として優先されるため、ドル円のみの力関係を見れば円高ドル安になります。(USD/JPY相場)
日本円が有事に買われる理由は、日本が世界有数の債権国であることが関係しています。世界に対して差引250兆円余りの債権があるらしい。(この債権規模は世界最大級)
米ドルが有事に買われる理由は、米ドルが基軸通貨であるからです。(貿易決済通貨・世界一の流通量を誇る)
ただし、地政学的リスクによってその国が直接攻撃を受けたり、近隣諸国が戦争状態に突入した場合、その国の通貨や株式市場は下落することが予想されます。
つまり、いくら日本円がリスク回避通貨だからといって、日本本土で戦争が起きたら日本円が買われるよりも売られる可能性も十分考えられるということです。(確定的なことはいえない)
個人的感覚では売られる可能性の方が高いように思いますが、為替相場がどうなるかについては、実際にその事象が起きてみないと分かりません。東日本大震災でも、起きた直後は円安に振れましたが、復興需要やら何だかんだで最終的には円高(75円台突入)になっています。
日本の国力は落ちたのに、円高になったということです。(リーマンショックの余波+復興需要という理由付け)
では、北朝鮮がミサイル発射して日本上空を通過した場合、為替相場はどのように反応するのでしょうか。
2017年8月29日と同9月15日、北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイル「火星12」を発射しました(計2回)。実はこの時、私はドル円相場で売りのタイミングを見計らっていた時だったのでよく覚えています。為替相場がどのような値動きをしたのかについては、以下にまとめています。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |