FXで勝つためには実践面とメンタル面での経験(最低5年は続けること)が必要になってきます。しかし、それらの経験を積んでも乗り越えられないFXの普遍的な難しさというものがあります。
では、絶対に乗り越えることができない普遍的な難しさとは、一体なんなのか?
長期的に上がる相場でも、高すぎれば短期的には下落相場になります。
逆に、長期的に下がる相場でも、安すぎれば短期的に上昇相場になります。
1分足から15分足、15分足から1時間足、1時間足から日足と、延々とこの「上がるけど下がる、下がるけど上がる」を繰り返しながら、為替チャートが形成されていきます。
そのため、いくら直近トレンドを読み切ったとしても、「まだ抜けるのは早い」といったような時間軸的なジレンマや、不用意な下落や上昇に振り回されてしまう運命からは逃れられません。
結局上がるんなら、何でさっきあそこまで下がったんだよ・・・
こう思うことは、よくあると思います。
5/10~5/18までのドル円の動き。高値更新の直後に、毎回のように下値下限付近まで落とされている。想定する目標まで「上がる」ことが分かっていたとしても、それが一体どれだけの期間を要して目標に到達するのかを正確に当てることはできない。(おそらく誰にも当てることは不可能)
トレンドフォローしてるつもりなのに逆噴射される理由については、経験によってある程度予測して備えることができるようになります。
デイトレードなんかは値動きの途中で入ることもしばしばあるから、簡単ではない。
想定し得るリスクをほぼなくした状態で入れるのがベスト。もちろん、リスクをほぼ見通せていることが前提であり、それには長いトレード経験が必要となる。(私は見通せるようになったのでデイトレをしている)
デイトレードであっても、いかに「待てるか」が重要である。
これに尽きます。
FXの実践経験によって、「この先何が起こるか」は予想できるようになりますが、それが「いつ起こるか」までは正確に予想できないのです。
(「数週間以内には」という時間軸レベルでならある程度予想可能だが、1日単位では無理)
例えばこの形。
直近のトレンドは上で、近い将来上にブレイクすると予想されます。
でも、そのブレイクはこの直後でなくても良いのです。
むしろ、まだ時間軸的には熟しておらず、サプライズニュースでもない限りは一旦下に行く可能性も十分考えられます。
そのまま上値ブレイクしても問題ないが、一旦下に落ちても問題ないチャート。
FXは本質的に、こういった不用意な下落や上昇があるために、正しい方向にポジションを持っていても損切り貧乏になってしまう恐れがあります。かといってストップを広く取ったとしても、万が一外してしまった場合には大損失を被ります。(損大利小)
この問題を解決できないことには、いくらトレンド方向が読めるようになっても、
これらが不明確なために、予想はできていても結局手が出せません。この問題をクリアできずに、「FXは結局、1/2勝負で勝てない」と悟って諦めた人も居るのではないでしょうか。
(手を出したいのに結局出せねーじゃん状態)
これらFXの持つ普遍的な難しさの影響を小さくする方法には、以下があります。
まず1点言えることですが、為替相場が取り得る一連の値動きは1日単位で完結するものではありません。そのため、エントリーもポジション決済も1日単位で終えるデイトレードは無駄が多く時間軸的にも不利です。私の感覚ですが、一連の値動きが節目を迎えるにはおおよそ1~3ヶ月程度掛かるため、途中で入るか途中で切り上げなければならないデイトレードはどうしても不利が働きます。
時間軸的なノイズによる影響は、時間軸を大きくすればするほどその影響が小さくなります。次の値動きが確定していない限り、デイトレードでは1/2勝負を強いられます。こういった時間軸的なノイズの影響を小さくするにはスイングトレードを選択する必要があります。
ただ私自身の場合、トレンド予想はかなり高いレベルで当てることができ、それを利用したスイングトレードでも結果を出す自信はありますが、私のスタイルに合わないのでスイングトレードは行っていません。
FXには、ほぼ次の値動きが確定する「鉄板サイン」というものが存在します。
「普段の確率が1/2」であっても、この「鉄板サイン」が出たときには「90%、場合によっては99.999%」、確率が一方向へ傾きます。私はデイトレ派なので、基本、このサインが出るのをひたすら待っています。デイトレでも予想は立てていますが、結局、予想したところで上記のようにあまり意味はなく、サインが出るまでは入りたくても入れません。
このサインというものは、高い洞察力と長い実践経験の中で培われます。FX経験者には、値動きの本質が分かったようで分かりきれてない人は結構居ると思います。私が思うにFX歴3~5年くらいの初心者に多いように思います。自分の壁を超えるには、やはり地道に実践経験を積んでいくしかありません。
サインを「サイン」として捉えるかどうかは人によって基準が異なりますが、私の場合、売買サインをクリアするための明確な基準を設けています。ちなみにテクニカル指標は全く使用しておらず、完全に目視で判断しています。(※サインは高値安値ブレイクとか、そんな単純なものでもありません)
スキャルピングトレードは「壁」を探して確実に跳ね返る値幅だけを狙う手法です。スキャルピングであれば抜ける・抜けないといった時間軸特有の1/2勝負に左右されることなく、確実な値幅だけを狙いに行けます。この結論に至ったFXプレイヤーも居るのではないでしょうか。
ただ、スキャルピングトレードは損切り幅が5pips程度とかなりキツいため、針の穴を通すような繊細さが必要になってきます。
「そんなこと出来るの?」という質問ですが、熟練すれば5pips程度の損切り幅でも利益を出せるようになります(※ただし通貨ペアによっては難しい)。ただ、非常に神経を使うのと、急激なスプ拡大や乱高下に対してモロいなどマイナス面も多くあります。FX初心者はスキャルピングをしたがりますが、欠陥が多い割に高い技術を求められるテクニックなので私はあまり勧めません。
「壁」というと高値安値を想像してしまうかもしれませんが、固い壁は高値安値に限らないので誤解しないようにしましょう。ちなみに私がスキャルピングをするときは、高値安値では絶対にポジションを取りません。高値安値の跳ね返りを狙うのも間違いではないのですが、もっと確実に狙える場所でスキャルピングしています。
先ほど提示した2択の正解です。
かなり手荒い下髭を出して、上に抜けていますね。(②が正解)
(※この数日後、最高値の121.499も狩り取って、最終的に上抜けしています)
私も答え合わせで後日チャートを開いた瞬間、笑ってしまいました。(笑)
下髭は午前12:00頃(東京時間)の値動きなので、欧州時間から参戦する私は、この動きを直接は見ていませんでした。
ちなみに予想は当たっており、おおよそのトレンドも掴むことができていました。それでも、ギリギリまで手出しできないのが、FXの難しさの本質です。
しかしチャート通りとはいえ、この下髭はヒドいな(笑)。おそらく何か小ネタ(報道)が出たんだと思います。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |