ランダムウォークとは、ある事象が不規則に動き、次の動きが全く読めない状態をいいます。つまり「適当に動いている」ということを示す言葉です。
昔、ある人間(相場が全くの未経験者)が、こんなことを言っていました。
株式相場や為替相場のチャートと、Excelマクロなどでプログラムによりランダムに描いたチャートは、非常によく似ているように見える。よって、株式相場や為替相場はランダムウォーク(適当に動いている)に過ぎないのではないだろうか。
おそらく、この未経験者の言い分は、
「チャートが意志をもって動くはずがない。世界中の多数の人間が取引していて、無秩序に注文が飛び交っているのに、そんなものが規則的に動くなんてありえない。」
というようなものではないでしょうか。
結論から言うと、少なくとも為替相場に関しては「No」です。下図に、綺麗なチャート例を紹介します。
ユーロポンドの4時間足。下値サポートラインと、上値レジスタンスラインが綺麗に機能しています。
ドル円の5分足。123.186-123.429のボックスに見事に収まっています。
ユーロドルにしては珍しく綺麗なトレンドラインを形成。これはかなり稀なケースだが、ランダムでは決して作り出せないチャート形。
為替チャートを眺めていると、気持ち悪いくらいプログラミング制御された値動きを見かけることがあります(割と頻繁に)。悶絶するような美しいチャート、これ明らかにインチキだろ(笑)、と思うようなチャートに出会えるので結構面白いですよ。
株式相場に関しては私自身の経験値が低いので、何とも言えません。(でもまぁ綺麗かな。気配値でオーダー状況も確認できるし)
私も株式相場や金・原油などの先物相場のチャートを見たことがありますが、「為替相場ほど細かな局面まで綺麗に動いているようには見えない」というのが個人的な見解です。ある程度、綺麗に動いているのは確認できます。
株式相場や金・原油などの先物チャートに関しては、「取れる気がしない」というのが率直な感想です。ただし、これはデイトレードでの話なので、スイングトレード目線ではまた別な景色が眺められると思います。株式相場をメインに毎月安定して利益を出している人を何人か知っていますし、「コツを掴めば取れるのだろうなぁ」とも思います。
日経平均や株価指数(インデックス)をスイングトレードするのであれば、勝負になるのでは。為替相場とは違って、流動性の低い個別株やデイトレードの時間軸では、チャートが汚過ぎてノイズに刈られそうな印象を拭えません。(ダマシではなく単なるノイズ)
インターネットの発達した現代は、世界中の人間がリアルタイムで相場のチャートを共有できる時代です。
オンラインゲームなんか見れはよく分かりますよね。僅かなラグこそあれど、世界中のプレイヤーが協力して同時にオンライン通信をする時代です。
注文スピードも超高速化しており、「節目」と呼ばれる重要なチャートポイントでの売買が、活発でより強力に機能するようになっています。FX初心者でも分かりやすい「節目」といえば、例えばチャートの高値・安値が挙げられます。(厳密には、高値・安値は狩られる運命にあるので、強固な「節目」とはいえませんが)
他には、ドル円相場であれば「100.00円」、ユーロドル相場であれば「1.0000(通貨パリティ)」、「1.2000」などの数字的な節目が挙げられます。少し専門的な節目には「ピボット」というテクニカル指標もありますね。
こういった場所では大量の注文が集中しており、売り買いの攻防が発生します。
非常に綺麗な為替チャートを描く要因には、世界中の人間が取引していること、インターネットによる高速注文が実現していること、取引システムの大規模プログラム化、などが挙げられると思います。
これらの事実は、為替相場を生業とする者にとっての生命線でもあります。チャートが規則性を持って動いているからそこ、専業トレーダーが居るのです。
仮に、為替相場が適当なランダムチャートであったならば、それこそ確率2分の1のゼロ・サムゲームになってしまいます。やるだけ時間の無駄です。
私がFXを続けている理由も当然無くなってしまいます。(無理なら見切りを付けてる)
FX歴 | 16年(2008年~) |
---|---|
年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |