FXは平日であれば24時間取引ができる(朝のメンテナンス時間を除く)という点で、昼間働いているサラリーマンにも人気があります。私もそう思って始めましたし、実際にFXの売り文句でもあります。しかし、サラリーマンが夜間に取引参加(デイトレード)するのは圧倒的に不利であることが経験から身をもって実感しました。
理由はいくつかありますが、順にピックアップしてみたいと思います。
FXの取引は非常に精神力を使います。脳みそをフル回転させるのでめちゃくちゃ疲れます。
人間の脳は1日に500kcalを消費するといいます(基礎代謝は2000kcal)が、毎日10時間以上取引を行ってる私の場合、1500kcalくらい脳が消費してるんじゃないだろうかと思うくらい疲れが溜まります。本気で集中して取引に勝ち抜くとなったら、それくらいの集中力が必要になってきます。
私はサラリーマンとの兼業も経験しているので分かりますが、昼間に仕事で疲れ切っている状態でそれを行うには大変な労力を必要とします。それに疲れている状態で取引を行っても、値動きの特徴・本質に対する気づきや経験が身に付くのかも疑問です。
サラリーマンが参加できる時間帯は、おおよそ20:00~24:00の4時間足らずだと思います。単純に取引に参加できる時間が少ないのはもちろん、それぞれの時間帯における値動きの特徴にも気が付かないかもしれません。
「FXはどの時間帯でも似たような値動きをする」と思っている人が居るかもしれませんが、それは間違いです。取引する時間帯によって、それぞれ異なった値動きの特徴・特性を持っています。
FXに勝てるようになるには非常に長い経験期間が必要です。
「平均的な能力を持つ人間が、毎日10時間相場を見続けて5年以上は掛かる」
これは私の経験則ですが、全てのチャートパターンに出会って、そのなかで再現性のある値動きを見つけ出して、プロスペクト理論も克服して、資金管理もしっかり守ることを徹底して、勝てるようになる総合力を身に付けるにはこのくらいの時間は普通に掛かります。昼間に仕事で疲れ切った状態のサラリーマンが、平均して4時間程度相場に参加して勝てるようになる経験を積むには、いったいどれだけの期間が必要になってくるでしょうか。
その日のうちにポジション決済を行うのであれば問題ありませんが、意図せずポジションを持ち越してしまった場合、昼間に値動きが気になって仕方がない状態に陥ると思います。副業で始めたつもりなのに、本業にまで影響を及ぼしてしまうのでは、本末転倒です。
退路があるのはいいことですが、それでは前進できません。
退路があると、負けた理由を本気で考えることや、どうしても勝たなければならないという強い意志が削がれます。気軽な気持ちで勝てるようになる世界ではないので、時間の無駄かつお金の無駄使いに終わる可能性も大いにあります。
私もサラリーマン時代からFXを始めたので非常に良く分かるのですが、サラリーマンが帰宅後にデイトレードで結果を出すにはかなりのハンデがあります。もし、サラリーマンでFXのデイトレードを始めようと考えている方は、その点を重々肝に銘じて為替相場に臨む必要があります。
ここではかなりのマイナスイメージを書いていますが、成功するには怯むことなく「面白いじゃん、やってやろう」と思えるくらいのストイックさは必要だと思います。FXって基本的にドM向けの金融商品だと思うので、苦痛と忍耐の中で進歩や達成感を感じられるようなストイック人間には、色々な発見があって面白いです。
など、甘い言葉で巧みにFXを勧める人間も居ますが、あまり簡単に信用しないように。勝てるようになるまでには、それ相応の苦労や精神的苦痛を伴います。
FXの投資戦略はデイトレードだけではないので、長期投資目的のスワップ運用は全然アリです。各国政府の政策金利次第ではありますが、地合いが良ければ年利3~5%程度のスワップポイント投資が有効です。
もちろん為替変動による評価損を喰らうリスクもあるので、じっくり低レバレッジで運用する必要があります。
スワップ運用もプレイヤー次第であり、金に目がくらんで無理にレバレッジを掛けて元手にそぐわないスワップポイントを得ようとする人も居ます。
余裕を持った投資をするのが身のためです。
FX歴 | 16年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |