相場と生きる。
FX歴16年 相場と生きる。
最終更新日 2023/12/01

人間は投資行動に向いていない(行動ファイナンス)

「私は相場に向いていないから」という言葉をたまに耳にしますが、そんなことはありません。人間は皆、本能的に相場には向いていないのです。
目次
  • 人間の本能的行動
  • 利益を伸ばす弊害(利少)
  • 損失を拡大させる要因(損大)
  • 向き・不向きよりも、本能的なもの

人間の本能的行動

一般に多くの人間は、投資において以下の行動を取りやすいとされます。(統計的に)

本能的行動
  • 利益を望める展開においては、目の前にある確実に手に入るお金を選択する。(利少)
  • 損失を被る展開においては、博打を打ってでも損をゼロにしたいと願う。(損大)

投資や相場の世界では、利少損大よりも損少利大になるような行動を取ることが望ましいとされます。

ところが人間は、本能的に利少損大の選択を取りやすいことがプロスペクト理論から実証されています。

この本能的行動が、投資や相場の世界では弊害になる危険性を孕んでいます。

本能

利益を伸ばす弊害(利少)

人間は、利益を望める展開においては、目の前にある確実に手に入るお金を選択しやすい。

  • あと少しだけリスクを取ればもっと大きな利益を得られるのに、すでに確定している利益分だけで満足してしまう。
  • ちょっとでも利益が乗ったら、すぐに利益確定したくなってしまう。

こんな経験をしたことがある人は多いと思います。

相場の世界には、「魚の頭と尻尾はくれてやる」というアドバイスが存在するように、より確実な場所だけを優先した方が良いという考え方もありますが、この選択には潜在的な期待値を下げてしまう効果があります。

勝ち切れない原因の1つは、取れる利益を自ら手放しているから

負けなくはなったけど、トータル収支では勝ち切れない。(収支がトントンに近い)

株やFXなどの投資で勝ちきれない原因の1つに、「きちんと利益を伸ばし切れていない」というものがあります。

「どこまでリスクを追うのか」のバランスが難しい所ですが、「負けもしないが勝ちもしない」という現象に悩んでいる人は、利益幅が最適化されていない可能性があります。

損失を拡大させる要因(損大)

人間は、損失を被る展開においては、博打を打ってでも損をゼロにしたいと願う。

こちらの方が深刻です。

人間は本能的に、目の前のリスクに対して目をつむりたくなる性質を持っています。

  • 損切りしたくないので、損切りラインをずらす。
  • 損切りしたくないので、そもそもロスカットまで損切りしない。

これらは、FX初心者がよく陥りやすい心理状態として有名です。

この投資心理が、知らず知らずのうちに「無謀なハイレバ取引」や「負けたら1発退場してしまうような状況」を作り出しているのです。

向き・不向きよりも、本能的なもの

私は相場に向いていないから」という言葉をたまに耳にしますが、そんなことはありません。

本

人間は皆、本能的に相場には向いていないのです。

何度も何度も実践経験を重ね、少しずつ矯正させていくしかありません。

その道半ばで、十分な実践経験が身に付く前に多くが脱落していくのです。

管理人
FX歴 16年(2008年~)
年利 8~15%(破産確率を考慮)
投資スタイル
デイトレードが中心(原則持ち越しなし)
大切にしていること
  • 長く勝ち続けること。
  • 無理をしないこと。
  • 欲が出たときこそ危ない。
  • 元手あっての世界。