FXでは、「ファンダメンタル要因」「テクニカル要因」の2つの大きな要因が値動きに影響を及ぼしています。
テクニカル分析がチャート分析そのものを主軸としているのに対し、ファンダメンタル分析はその国の経済・社会・政治・金融政策などを主な要因としています。具体的には、その国の通貨の政策金利であったり、貿易収支、失業率、消費者物価指数などの経済指標をファンダメンタル要因とします。
経済指標には発表スケジュールがあり、毎日何かしらの経済指標が発表されています。経済指標は、各証券会社ホームページでも確認することができます。(閲覧無料)
FXを行うのであれば、経済指標発表のスケジュールは発表時刻を毎日確認する必要があります。確認しなければならない理由は以下の通り。
経済指標は荒波の発生原因になります。スイングトレーダーはまだしも、デイトレード・スキャルピングトレードを主軸とする者にとって、スプレッド拡大やランダムな乱高下は細心の注意を払うべきです。
経済指標発表前には、短期トレーダーは一旦ポジション整理を行うのが定石です。
(スプレッドが元に戻ればエントリーしてもOK)
経済指標には「重要度」というものが存在します。
重要度によって、値動きのスケールや、サプライズ発表があったときの市場の反応も変わってきます。重要度は「3ランク制」「5ランク制」など、各FX会社によってランク分けが異なります。
為替相場における超重要指標は以下の通り。
超重要指標(★★★) | ||
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水曜日 | 翌3:00 | 米国のFOMC政策金利発表 |
翌3:30 | 米国のFRB議長の会見(要人発言) | |
木曜日 | 20:45 | 欧州中央銀行(ECB) の政策金利発表 |
21:30 | 欧州中央銀行(ECB)総裁の会見(要人発言) | |
金曜日 | 21:30 | 米国の雇用統計(非農業部門雇用者数) |
※時間はサマータイム(夏時間)のものです。冬時間では1時間後ろにずれ込みます。
※雇用統計は毎月1回発表されますが、米FOMC政策金利については約6週間に1回など、各国ごとに発表期間が異なります。
基本的に、相場が大きく荒れるのは超重要指標が発表される時です。それ以外の小さな経済指標発表は、「ああ、この時間にはスプレッドが拡大するから面倒だな」くらいにしか思っていません。また、経済指標が次の値動きへの「きっかけ」になることがありますが、スプレッドが拡大しているため初動には乗れません。
経済指標は、次の値動きへの「きっかけ」に利用されることがよくあります。
例えば、時間軸に対して早く下げ過ぎてしまった場合などには、一旦そのギャップを埋める燃料にされて、値が大きく戻されたりします。逆に、直下の抵抗を壊したいのに手こずっている場合、チャートブレイクのための燃料にされたりもします。
経済指標を「きっかけ」にして値が動くとは、このようなことを指します。
例えば金曜日に「米国の雇用統計(非農業部門雇用者数)」を控えた週である場合、この金曜日の米雇用統計発表の時間を狙って値が一気に動くことがあります。チャート上の重要ポイントをブレイクさせる「きっかけ(動機付け)」に利用されるのです。
といったように、一週間単位で経済指標スケジュールに合わせた値動きを、ぼんやりと想像することができます。今週は週のどこに超重要指標が控えているのかを把握しておくことが、週単位でのチャート形成・値動きの推移を予想する上での重要な「指標」となってきます。
週末金曜日の21:30に発表される雇用統計を前に、当日の昼間から動きが鈍化・収束している。
21:30の発表を機に、方向が一挙に決する。
たまに見かける勘違いについて。
経済指標の結果が分かっていれば、儲かるのに!(FX初心者)
こういった意見を目にすることがありますが、これは全くの見当違いなので注意が必要です。経済指標の大きな役割のひとつは、「みんなで示し合わせて抵抗をブレイクさせること」です。示し合わせているのは、大口のヘッジファンドなど為替チャートを主に「作っている側の人たち」です。
で、実際に為替チャートを動かしているヘッジファンドは基本的に経済指標の結果なんて気にしちゃいません。彼らが動かしたい方向・またはすでにサインが出ていて決まっているトレンド方向に動かすだけです。私も結果数値なんて全く見ていません。結果数値が市場予想より良かった、悪かったなんて大して意味がないんです。
経済指標が良かろうが悪かろうが、あらかじめ決められたトレンドをねじ曲げることはできません。
(※政策金利のサプライズ発表を除く)
「指標が良い結果なのに、何で上がらないんだよ!」などどいう声を聞きますが、残念ながら経済指標でトレンドは変えられません。基本、その日その日で値動きのテーマがあり、ロンドンフィキシングに向けてその大きな流れが決まっており、それが経済指標によって根本から壊されることはありません。
チャートを動かしている大口のファンドには「こういう風に動かしたい」という意図があるため、その方向性を経済指標が良い悪いだけの理由で変えることはできないのです。
※経済指標の結果次第では、動ける(チャートが壊れない)範囲で、逆に振れる・仕掛けが入ることがあります。
FX歴 | 15年(2008年~) |
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年利 | 8~15%(破産確率を考慮) |